弊社では三重支店に研究施設を置き、各種のスポーツサーフェスの“試験舗装”を実際に施工した上で 「NPO法人スポーツ施設 三重研究所」と協働で各種舗装に関わる調査・実験を行っています。
■今回は「グラウンド・コート舗装材の表面温度」試験の模様を紹介致します。
現在では、人工芝の様々なスポーツ上の欠点が改善され、『ロングパイル人工芝』が普及しています。
しかし、研究が日進月歩の中にあっても、未だ夏場の暑さに関する対応は解決まで至っていないのが現状です。
グランド・コート舗装材の温度変化については、弊社と「NPO法人 スポーツ施設三重研究所」は 三重大学生物資源学部共生環境学科の協力を得て、弊社研究施設にて「グラウンド・コート舗装の温度変化等」について調査致しました。
計測グラフ一番上の赤紫のラインがロングパイル人工芝の温度で 一番高い温度を示しています。
また、舗装材の温度は日中の12時~13時に最高温度が記録されています。
これに対して気温の変化は茶色で表されていますが、16時に最高気温を示しています。
この検証実験により、舗装材は太陽光の日射による「輻射」により温度が上がり、気温は舗装材の温度上昇の伝導・対流による影響を大きく受け上昇するのが判ります。
人工芝は特に日射の影響を受けやすく、熱しやすく冷めやすい。
日没の17時では 気温よりも低くなっています。
『人工芝』は元より日射量に反応して温度変化が起き易い特性があります。
上のグラフから解るように日射量が増加すると気温との差が大きく、高くなってしまいます。
一方、天然芝の場合は、人工芝に比べてそれほど大きな差は現れません。
従って、よく晴れた日は、人工芝はかなり高温になるということが判ります。
『グラウンド・コート舗装材』はこうした輻射反応を抑えた舗装材が次々に開発されています。
■人工芝への熱対策の一例;JFA(公財;日本サッカー協会)では、ロングパイル人工芝ピッチ公認ガイドブックで利用・運用上の注意としてピッチの利用法に関した提言を行っています。
● JFAロングパイル人工芝ピッチ公認 ガイドブックより抜粋
第15条〔保守管理〕
2. 施設所有者は適切な散水態勢をとり、ピッチ上の温度管理に留意するとともに、選手及び関係者に対し、休憩時間の確保、水分の補給等につき指導しなければならない。
このように、春から秋に掛けては、晴天の日の『人工芝』上のスポーツには熱中症対策が特に必要であることが再確認されました。
逆に、冬季間の晴れた日には 人工芝のグラウンド・コートは ぽかぽか暖かいというメリットがあることも判明しています。
私達は、このように 日々、刷新改良される『新・舗装材』の特性をより活かすのと同時に、問題点を補うための「工法」を検証しています。
そのデータは、社内で慎重な検討を経てようやく最新のデータベースのひとつとなり、ご使用環境に最も相応しい「施工」プレゼンの中で提案させていただくこととなります。
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