■河川敷グラウンドの考察、平坦舗装だけでは済まない難点
河川敷のグラウンド・コートは、一般的に 高水敷(こうすいじき)と呼ばれる部分に作られます。
「高水敷き」には 河川の水が流れるため 当然 「勾配」があります。
そのため、グラウンド・コートとしての理想の勾配を再設定しなければなりません。
また、表面排水方向の確保が困難な場合も多く、過去の河川資料を慎重に分析した上で、「河川」地としての折り合いのなかで設計/設置されていきます。
特に、河川の洪水時の想定は必須となります。
バックネットやフェンス、日よけなど、それらの撤去ができる機能を最前提として考える必要があります。
設置/設計時には、それらの転倒による水の流れを阻害しないように留意しなければなりません。
さて、ここで話は大きく変わりますが、日本の神事とスポーツの相関について考えてみます。
「走り」では西宮神社の福男、また奉納相撲、各地で行われている大綱引き、舞や踊りではダンスの要素や、動きも活発にな各ヨサコイなど。
乗馬の技量のいる相馬野馬追。 見方によってはこれらは古典スポーツです。
以前、「流鏑馬」を河川敷で観戦したことがあります。
河川敷のグラウンドは河川の流れ方向が長いので「流鏑馬」にはもってこいのフィールドと言えます。
そこで、この神事の「スペース」について 後日、調べてみました。
必要な馬場の寸法は行われている場所により差はあるものの、次の通りでした。
これだけのフィールドを整えることは思う以上に大変なこと。
これが純然たるフィールド・スポーツならば、馬体重と蹄鉄で傷む馬場だけに出走順で結果が左右される可能性があります。
現代スポーツであったなら、発走順の有利・不利は できる限り排除したいところです。
仕事柄、つい馬場の《舗装》下部の工法をあれこれと考え始めてしまいました。
その馬の足下ばかりを見ていたため、写真は手元に残っているものの 肝心な的を射るところの記憶がもうひとつ曖昧(あいまい)に。
馬と同様に、つい下を見てしまわないブリンカー(目隠し)を準備して、もう一度、仕事抜きで「流鏑馬」の観戦を果たしたいと思っています・・・。
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専務取締役;後藤 正臣 (ごとう まさおみ)
昭和30年3月13日生/日本工業大学工学部・建築学科 卒
(公財)日本スポーツ施設協会 屋外体育施設部会 副部会長
(一社)日本運動施設建設業協会 登録運動施設基幹技能者登録講習会 講師(平成22年~現在)
資格等:一級土木施工管理技士/一級建築施工管理技士/一級造園施工管理技士/上級スポーツ施設管理士(公)日本スポーツ施設協会/建設マスター